「学術的に「正しい」若い体のつくり方」を読んだ感想です!(長文)
谷本道哉・近畿大学准教授はご存知でしょうか?一時期テレビ番組「さんまのホンマでっか!TV」にも出ていたのに最近は見なくなりましたね。でもNHK の人気番組「みんなで筋肉体操」の指導員としておなじみなので、知っている人も多いことでしょう!
その谷本道哉先生の上半身の脅威的な逆三角形が印象的ですよね。ジャケット姿でも鍛え抜かれた体型はシルエットから見て取れるほどですから。 曰く、「その時々に興味のあることに熱中し、行き当たりばったりで生きてきました。」 という生き方をされているとインタビュー記事で答えていたのが印象的です。谷本先生のモットーは「やるか、すぐやるか」と谷本先生らしい有言実行の言葉だそうです。・・・ちょっと誰かの流行語をパクった感じは否めませんが。(笑)
そんな谷本道哉さんが5年前に刊行された書籍が新装版として出版されました。その本の題名は『学術的に「正しい」若い体のつくり方』です。若い肉体を保つための具体的な筋トレ方法ときめ細やかな食事術をまとめた本書は、古びるどころか今こそ読まれるべき内容が満載だと感じました。
まず読んでみて気付くのは、研究論文の引用の多さでした。この 点に関して谷本先生は「そもそも学術的に正しいことしか書いてはいけないはずなのに、いい加減な品が出回っている。本書のタイトルにもわざわざ”学術的に正しい”とつける必要もないんですけどね。」と声を大にして言いたいようです。
そらそうですよね。つまり、いい加減な本とは一緒にして欲しくないということですね。
本書で気付かされるのは、運動不足の深刻さだと思いました。世界の全死亡のうち9.4%(日本人は16%)が、運動不足が原因であるとする研究報告が紹介され、「運動不足病は世界的に流行している、パンデミック状態である」と引用していました。新型コロナウイルスの感染パンデミックによって、運動不足のパンデミックが加速している実態には要注意ですね。
それでも運動や体操に腰の重い人が少なくないのも事実ではないでしょうか?そんな人を駆り立てる言葉の数々も魅力的だと思います。例えば、「快適に動ける体は1分で作れる」「しっかり歩けば、全ての道はプライベートジムになる」「『本気を出せば…』という言葉は二度と使わない」など。 またよくテレビでも言っているように、「きつくても辛くない」「全部出し切れば気持ちいい」といつも励ましている谷本先生 の思いや気持ちがよく伝わってきました。
どれも自分のトレーニング中に、自分に言い聞かせる言葉です。自転車に乗って横からメガホンで叫ぶのではなく、一緒に走らないと説得力はない、というのが谷本先生の思いだそうです。
谷本先生のプロフィールについてなんですけど、筋トレ道は筋金入りでした。お兄さんの影響で小学生の頃から鉄アレイでトレーニングをしていたそうです。社会人2~3年目でたまたま読んだボディビルディングの雑誌で、筋トレを生理学的に説明するボディビルダーで元東大教授の 石井直方氏の記事に衝撃を受けて、すぐに会社を辞め上京するほどとは正に有言実行の人なんですね。
そして東大大学院に入って「サイエンスは人を幸せにする」を持論とする石井教授のもとで勉強をして、筋トレの伝道師として今に至ったとのことでした。
普段からの食事はもとより、丘の上にあった大学キャンパスまで自転車通勤をするなど、筋トレが生活の中心になっていた中、振り返れば苦い思い出もあるようです。かつて「トレーニングに使うバーベルのプレートは一番大きな20kgのみ」というポリシーを持っていたようなんですが、「小さい数字での細かい調整は男らしくない・・・といった変で偏った考えですが、それで無茶苦茶なトレーニングをした結果、肩は今でもメチャ悪いと後悔しているほど。(笑)
谷本道哉准教授の筋トレのルーティンとは、「1回20分×週4回」と決めているようです。いろいろな組み合わせでしているそうです。また、筋トレで鍛えた筋肉を維持する上で食べ物にも気をつかっているようで、甘党の谷本先生はスイーツを自分で作るそうです。チーズケーキなんか独自のレシピで一度に2kg分も作るんだって!?ビックリですね。
ちょっと話が反れちゃいましたが、結局のところ、正しい筋トレの敵となるのは、虚栄心や自己満足といったものなのかもしれませんね。今のような筋トレやパーソナルトレーニングがブームとなる中、間違った努力は何にも成果は出ないので、正しい努力をして欲しいと思います。
「頑張っている自分が好き」という人の考えや行動も無下に否定するものではありませんが、ケガをしないよう自分の身体を労わった範囲での筋トレ道の追及・精進に励んで欲しいですからね。
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